塗装方法

塗装方法

HOW TO PAINT

Good paint· bad paint

良い塗装・悪い塗装

船底塗装はただ塗料を塗れば良いというわけではありません。
正しい塗装をすることによって、船速・効果・耐久性が変わってきます。

悪い塗装例
以下のように塗装をすると、船底に凹凸が増えるため、速力の低下・海洋生物の付着塗料の剥離が起きる可能性があります。
良い塗装例
以下のように塗装をすると塗装面の凹凸が無く、船速が伸びる・海洋生物が付着しにくい均等に塗料が剥がれていく為、長持ちします。
paint the ship bottom

船底の正しい塗装方法

船底塗装の全体像
STEP1: 下準備
塗装準備は新艇や船底無塗装の場合と塗り替えの場合で作業が異なります。塗り替えの場合は、先ず付着している貝や藻を除去し、次に塩分や汚れを洗浄し、乾燥させます。また、新たに塗装する塗料がしっかりと塗れるようにバインダー塗装をすると効果的です。
新艇や船底無塗装の場合は、シンナーで拭いた後に、ドライサンドペーパーでサンディングをします。プライマー塗装をすることで新たに塗装する塗料がしっかりと塗れるようなるため効果的です。
STEP2: 船底塗装
塗装工程では、まずはじめに喫水線に沿ってマスキングテープを施します。次に、塗料を攪拌します。粘度調整が必要な場合等、必要時は適宜シンナーで希釈をしてから塗装に着手します。塗装が終わってからは船舶の使用環境や塗料に応じてしかるべき方法、時間を要して乾燥させます。
塗装効果を激減させる典型的な誤り6パターン
乾いていない状態

上架後は必ず乾燥させましょう

藻・貝の根・塩分が付着している状態

船底の付着物を除去しましょう

攪拌作業がしっかりできていない

底に沈殿しやすい防汚
物質を上下によく攪拌

シンナーの使いすぎ

シンナーはごく少量に
(最大5%まで)

金属部分への塗装

電触の恐れがあるため
軽金属部への塗装厳禁

天候不順での塗装

降雨、降雪時の塗装は
避けてください

正しい塗装手順 ① 塗装前の下地処理
塗り替えの場合
step
01
付着物の除去

付着している貝類・藻などの除去を行います。
旧塗膜はできる限りなるべく剥がします。

フジツボの根も除去

前の塗装を可能な限り除去

step
02
洗浄

清水洗いを行い、塩分・油分・汚れをしっかり落とす。高圧ジェットがなく、ホースを使用する場合はタオルなどで擦りながら水洗いをして下さい。

高圧ジェットを使用する場合

高圧ジェットが無い場合

step
03
乾燥

水気が残っていると塗料が乗らず、剥離の原因となります。過去に大きく剥がれた箇所がある場合は、ドライサンドペーパーで研磨するとペンキの定着が良くなります。

step
04
バインダー塗装(OPTION)

旧塗膜や洗浄不十分により定着力が低下する場合もあります。新しい船底塗料の定着力を高める為、バインダー塗装を推奨します。
バインダーコートなので薄く塗るよう心掛けます。

バインダー塗装をする

薄く塗ることがポイント

新艇・船舶無塗装の場合
step
01
シンナー拭き

布ウェスにアセトン又はウレタン系シンナー(又はエポキシ系シンナー)を浸し、ゲルコート表面の離型剤やワックスをふき取る。

シンナーの選定も注意

シンナーの使い過ぎには注意

step
02
サンディング

ドライサンドペーパーで、表面の光沢がなくなるまで丁寧に研磨する。その後、表面のダストを除去するため清水洗いを行い、十分に乾燥させる。

ドライサンドペーパーを使用

清水洗浄を行う

step
03
乾燥

水気が残っていると塗料が乗らず、剥離の原因となります。過去に大きく剥がれた箇所がある場合は、ドライサンドペーパーで研磨するとペンキの定着が良くなります。

step
04
プライマー塗装(OPTION)

FRP・ゲルコートとの定着力を高める為、下地処理としてプライマー塗装を推奨します。
プライマーコートなので薄く塗るよう心掛けます。

プライマー塗装をする

薄く塗ることがポイント

正しい塗装手順 ② 船底塗装
step
01
マスキング

効率的に塗装ができるように、船底塗料前に喫水線に沿ってマスキングテープを施しましょう。塗装の境界線が明確になるため作業がスピーディーに終わります。

step
02
塗料の攪拌

塗料内の防汚成分、特殊セラミックスが沈殿している為、攪拌作業が不十分の場合効果が発揮されない可能性があります。より防汚効果を出すために、電動攪拌機を必ず使用し缶内部の防汚成分と特殊セラミックスを攪拌させてください。上下に攪拌するとよく混ぜることができます。
攪拌時間の目安:3分

step
03
塗料の希釈(OPTION)

特に冬季のような粘度が高くなりやすい時期・場合等、粘度調整が必要な場合はシンナー(塩化ゴム系シンナー代用可)で0~5%添加し希釈します。

参考希釈量
4kg缶
約100ml迄
20kg缶
約500ml迄
step
04
塗装

膜厚が薄いと生物が付着しやすいので膜厚は十分に保持する。また、右記のイラストのように塗料が剥がれやすく貝類が付着しやすい箇所は二度塗りを施し十分膜厚を保持する。またローラーを使用する際は、塗膜にムラができることを防ぐために、しっかりと染み込ませるようにしてください。

step
05
乾燥

塗装24時間以上は乾燥させて頂き、長期陸上保管はなるべくお控えください。また、10時間以内に注水されますと塗装の剥がれに繋がる恐れがありますのでご注意ください。

補足:塗り替え時期に関するポイント

海中生物・植物種の活動・活性が高まる時期
<5月・10月の年2回>に塗り替えをお勧めします。

outline

サマリー

6つの必須対応

いかがでしたでしょうか。各工程で行うことは多々ございますが、少なくとも以下6項目をは必須です。
是非対応して塗料の効果を最大限持続させるようにしましょう。

  • 水洗いをしっかりと行い、乾燥も十分に。
  • フジツボの皿(付いた跡)をしっかり落とす。
  • 古い塗膜は落とせるだけ落とす。
  • 塗膜はなるべく厚く。シンナーで薄めない。
  • 塗装の乾燥をしっかりする。
  • ムラができないよう均等に塗布する。
troubleshooting

塗装時の主なトラブルと対策

塗料に関するその後のトラブルは塗装工程に起因します。
トラブルの原因を主なトラブルごとに整理いたしましたので、是非必要時はご活用ください。

#1 塗料の剥離
原因
対策
撹拌不足
電動撹拌機でしっかりと混ぜる。
下処理が
汚れ、水分や油分を除する。塗り替えの場合はバインダー塗装、新艇、無塗装艇の場合はプライマー塗装する
シンナーが間違っている不適切
ECOプラス専用シンナーまたは、船底塗料用(塩化ゴム系)シンナーを使用。
#2 ひび割れ・気泡が発生する
原因
対策
撹拌不足
電動撹拌機でしっかりと混ぜる。
シンナーが間違っている
ECOプラス専用シンナーまたは、船底塗料用(塩化ゴム系)シンナーを使用。
塗面が高温
適当な温度条件で塗装する。
適切な刷毛、ローラーを使用しなかった
油性の適切な刷毛、ローラーを使用。
#3 塗料ののりがよくない、はじく
原因
対策
撹拌不足
電動撹拌機でしっかりと混ぜる。
下処理が
汚れ、水分や油分を除する。塗り替えの場合はバインダー塗装、新艇、無塗装艇の場合はプライマー塗装する
シンナーが間違っている不適切
ECOプラス専用シンナーまたは、船底塗料用(塩化ゴム系)シンナーを使用。
応急措置

表面をサンドペーパーで研磨後、 プライマーを下塗をする。
乾燥後、船底塗料を塗る。