断熱塗料の種類は多く、何を基準として比較すれば良いのか判断に困ります。塗装面積が広くなるほど、塗料の種類によって費用面に差が出るため、後悔のないよう慎重に選びたいものです。
ここでは、断熱塗料を選ぶとき参考にしたい4つの基準をご紹介します。断熱塗料の比較検討に悩んでいる方は、ぜひご参照ください。
1.断熱塗料の選び方
断熱塗料を選ぶとき、主な判断ポイントとなる要素は以下の4つです。
断熱塗料を比較検討する際は、これらのポイントに着目することを推奨します。
上記の観点をもとに、どのような基準で断熱塗料を選べば良いのかご説明します。
1-1.機能で断熱塗料を選ぶ
断熱塗料と一言でいっても、メーカーや製品によって機能には差があります。
いずれの断熱塗料も断熱性能は備えていますが、防音機能のあるものや防露機能に優れるもの、伸縮性に長けたものなど強みとなる機能には違いがあるのです。
機能が違えば解決できる課題も変わるため、まずは施工対象となる建物にどのような問題があり、断熱塗料に求める機能は何なのかを明確化してから比較検討を行うことで、より満足度の高い断熱塗料を導入できます。
1-2.実績で断熱塗料を選ぶ
断熱塗料のなかには、塗料としての有用性を示す試験に合格していたり、重要度の高い設備へ利用された実績があったりするものもあります。
とくに他社試験により性能が評価されている断熱塗料は、自社試験のみの検証結果を公表する製品より信頼性があるため、実績を見極める際に1つの指標となるでしょう。断熱塗料の塗装工事は決して安価なものではないため、客観的評価をもとに塗料を比較する場合は実績に注目することをおすすめします。
1-3.予算で断熱塗料を選ぶ
断熱塗料は、機能性のない塗料よりも高価な傾向にあり、くわえて断熱塗料のなかでも価格差があります。
また、塗布面積や依頼先の専門業者によって費用に大きな差が生まれるため、まずは見積もりを出してもらうことを推奨します。あらかじめどの程度の予算を用意するのか決めておけば、塗料選びや業者選びはスムーズに進むでしょう。
1-4.耐用年数で断熱塗料を選ぶ
耐用年数によって、塗り替えが必要になるまでの期間は変わるため、費用のみを見て安易に投資対効果を計るべきではありません。
現時点で高機能とうたわれる優れた断熱塗料をできる限り長く使い、メンテナンス回数を最小限にするなら耐用年数の長い製品がおすすめです。一方、10年未満のスパンでこまめに塗料を塗り替え、常に最新製品を利用し続けることを希望する場合は、耐用年数が短くても費用面で有利な断熱塗料を選ぶことが選択肢に挙がります。
なお、耐用年数は塗料に用いられる素材によって左右され、つぎの種類のうち下に行くほど耐用年数は長くなります。
一般的にアクリル塗料とウレタン塗料の耐用年数は5~10年未満、シリコン塗料とフッ素塗料の耐用年数は10~15年以上とされています。たとえば、弊社が販売するWAKOECO® SHIELD(ワコーエコシールド)は、顔料としてシリコン塗料を利用しているため、期待耐用年数は10~15年以上となっています。
2.代表的な断熱塗料の比較
2021年現在、国内の代表的な断熱塗料として認知されているガイナ・クールサーム・キルコート、ならびに弊社が販売するWAKOECO® SHIELD(ワコーエコシールド)の情報を比較し、紹介します。
なお価格は定価で記載しており、実売価格ではありません。実売価格については取扱店やメーカーにお問い合わせください。
まず、ここでは代表的な断熱塗料であるガイナ・クールサーム・キルコートの3製品について、特徴を解説していきます。
2-1.ガイナ(株式会社日進産業)
ガイナは、株式会社日進産業が販売する断熱塗料。JAXAが開発した断熱技術を応用しており、優れた断熱性と耐久性を備えています。
省エネ大賞【審査委員会特別賞】や岩谷直治記念賞を始め、複数の受賞歴があり、広く評価を得ています。また、機能面にフォーカスされる機会が多いですが、断熱塗料のなかでは比較的カラーバリエーションも多く、基準となる52色をベースとして200以上の色合いに対応できるようです。
騒音やにおい抑制にも効果があると公称されており、高機能な断熱塗料の筆頭として知られています。
2-2.クールサーム(株式会社大高紹介)
クールサームは、株式会社大高紹介が販売する断熱塗料。NASAが開発した特殊セラミックにより、熱エネルギーを遠赤外線に変換して空気中に熱放射する能力を備えています。
塗装から18年後の調査にて、再塗装をせずに効果を維持しているデータも取れているとのこと。米国農務省による食品衛生面の認定、日本鉄道車両機械協会による不燃性の認定を受けており、優れた断熱性能と安全性を両立しています。
中空セラミックを用いた断熱塗料と比較して、紫外線による塗膜劣化の速度が緩やかであるため、屋根に塗布した場合でも長期的に効果を発揮することが期待できるようです。
2-3.キルコート(株式会社キルコート・ジャパン)
キルコートは、株式会社キルコート・ジャパンが販売する断熱塗料。特殊なバインダー(顔料や樹脂からなる粘性液体)を使用し、断熱機能を持った中空ビーズを高密度で混ぜ合わせており、摩擦や衝撃に耐性のある塗料となっています。
伸縮性にも優れており、公称では200%の伸びに耐えられるとされ、壁面に生じるクラック(ひび割れ)を抑える効果があるとのこと。環境省が実施する環境技術実証事業のうち、ヒートアイランド対策技術分野において効果が実証された実績を持ちます。
また、新製品(2021年5月執筆時点)であるNewキルコートの付着性能は接着剤に匹敵し、塗布によってアスベスト素材の飛散を防止するといった使い方も可能です。ベースコート・トップコートには複数のラインナップがあり、色や機能によって価格が異なるため、検討時は製品概要を細かく確認しましょう。
3.国内外にて特許を取得した断熱塗料のご紹介
弊社が販売する『WAKOECO® SHIELD(ワコーエコシールド)』は、ここまでにご紹介した代表的な断熱塗料と比較しても劣らない、多数の試験をクリアして国内外の特許を取得した製品です。
以下の特徴を持っており、自社・他社試験で有用性が実証されています。
- 断熱機能(暑さ対策・寒さ対策)
- 防露性能
- 不燃性能
- 安全性能
- 空気質改善
一般的に販売されている機能性のない塗料と比較して、どのような点で優れているのかご紹介します。
3-1.暑さ対策・寒さ対策として効果を発揮する断熱機能
WAKOECO® SHIELD(ワコーエコシールド)は、セラミックスの働きにより太陽光線を反射し、さらに室内・室外の熱移動を抑制する働きがあります。
セラミックスを使用したWAKOECO® SHIELD(ワコーエコシールド)の断熱効果は、プレハブ倉庫を用いた比較検証によって証明されています。
上記資料の通り、WAKOECO® SHIELD(ワコーエコシールド)を塗布したプレハブ倉庫の屋根部分は、塗装なしの屋根に比べて表面温度の上昇が約20℃も抑えられました。
また、優れた断熱効果は、冷暖房設備の効率的な運用に効果を発揮します。以下の数値は、先ほどと同様の試験により計測された「断熱塗料を塗布したプレハブ倉庫」と「無塗装のプレハブ倉庫」にて、エアコンを稼働させ消費電力量の差を計測したものです。
夏場は15%、冬場は21.5%の削減を達成しており、快適な室温を維持するための必要電力を抑える効果があることを確認できます。
他社の断熱塗料との比較試験でも良い結果を得られており、試験に用いた2種類の他社製品と比較して、WAKOECO® SHIELD(ワコーエコシールド)は温度上昇の抑制に効果を発揮しました。
無塗装の一斗缶と比較して温度上昇が抑制されるのは当然ですが、他社の断熱塗料を塗布した一斗缶とのあいだにも最大1.8℃の温度差が生じています。外的要因を遮断した恒温室内でも、同等の結果を得られました。
なお、前述の比較表にも記載した通り、期待耐用年数は10~15年以上となっています。
3-2.防露性能
結露は室内の暖かい空気が冷えた壁面へ移動したときに生じますが、WAKOECO® SHIELD(ワコーエコシールド)を壁面に塗装した場合、塗料がすぐさま空間温度に適応することで結露の発生を防止することが可能です。
防露性能によりカビの発生が抑えられるため、後述する空気質改善の能力とあわせて人体への悪影響を抑制する効果が期待できます。
3-3.不燃性能
WAKOECO® SHIELD(ワコーエコシールド)は、国土交通省の不燃材料認定を取得しており、不燃性能に優れていることが実証されています。
ウレタンフォームに断熱塗料を塗布し、ガスバーナーで火を当てる不燃性試験においても穴は開かず、耐熱性の検証では200℃の環境下に1時間さらされた状態でも割れ・膨れ・はがれ・光沢の低下は起こりませんでした。
3-4.安全性能
ホルムアルデヒド等級の最上位規格を示す「Fフォースター」を取得しており、室内空気環境の安全性が証明されています。
ホルムアルデヒドフリーであるため内装利用に制限はなく、屋内外を問わず塗布することが可能です。
3-5.空気質改善
セラミックスの効果により、WAKOECO® SHIELD(ワコーエコシールド)を塗布した壁面は静電気が生じづらくなり、アレルゲンの発生を抑えます。
また、汚れの付着を防止する効果もあり、ハウスダストの原因物質の温床となることを阻止し、結果として壁面の寿命を延ばすことに寄与します。
4.まとめ
断熱塗料を比較検討する際のポイントをご説明しました。塗料には一長一短があり、機能・実績・予算・耐用年数のどれもが飛びぬけて優れた製品はありません。
そのため、まずは断熱塗料に求める事項を洗い出し、何を最優先として塗装工事を実施するのか明確にすると、比較検討がスムーズに行えます。