暑さ対策で断熱塗料を検討する場合、業者に塗装を依頼する際の費用が気になりますよね。
実は、断熱塗料はきちんと準備すれば4~5時間程度でDIYできます。ここでは、断熱塗料のDIYを考えている方向けに、具体的な準備方法と手順を解説していきましょう。
1.灼熱の屋根と外壁に断熱塗料を塗りたい!DIYできる?
灼熱になった屋根や外壁の表面温度を抑えられる断熱塗料。
工場や物置、牛舎などの暑さ対策に検討されている方もいらっしゃるでしょう。
先述したとおり、
断熱塗料はご自身で塗装・DIY可能です。 ただし、「塗料とハケさえあれば1日で塗装OK」というほど簡単ではありません。きれいに塗るためには塗装道具の準備が欠かせませんし、作業途中には塗料を乾かす時間が必要です。業者への外注費用を抑えられる分、手間と時間はある程度かかるのがDIYです。
DIYを考えている方は、かかる時間や手間とDIYで浮く費用を天秤にかけ、よく検討してください。
2.断熱塗料のDIYにかかる時間とメリット・デメリット
断熱塗料のDIYを1人で行う場合、作業時間の目安は計4日、4~5時間程度です。
ただ、この時間には足場を組む時間や雨天の可能性は含まれていません。場合によっては、もう少し時間・日数がかかることもあります。こうした手間がかかることはDIYのデメリットですが、その分塗装作業の外注費用を抑えることができるのは、大きなメリットです。
ここでは、作業時間の目安とメリット・デメリットについて、具体的に解説していきましょう。
2-1.断熱・遮熱効果のある塗料で屋根を塗装す
DIY塗装にかかる時間は塗装対象や作業人数などによって異なりますが、弊社の営業マンが20㎡の屋根を一人で塗装するのにかかった時間は4~5時間程度です。
DIYにかかる時間の参考例
- 作業人数:1人
- 塗装対象:プレハブ倉庫の金属屋根
- 塗装面積:20㎡
- 塗装時間:4~5時間程度
- 塗装工程:清掃・下塗り・中塗り・上塗り
- 完成までの日数:計4日間
上記はあくまで一例です。
塗装時の天候状況や、塗装対象の汚れの状況に寄ってもかかる時間・日数は変わります。真夏日や雨天が続けば、作業を中断せざるをえないでしょう。ある程度余裕をもってスケジュールを組んでおくといいでしょう。
また、高い場所での塗装には足場を組む必要があるため、足場の組み立て準備を含めるとさらに時間がかかります。足場は組んだほうがいいのか、かかる時間はどの程度見ておけばいいかなどは、DIY用の断熱塗料を販売しているメーカーで相談してみるのも一つの方法です。相談する際は、塗装対象や塗装面積などの詳細を具体的に伝えるとスムーズです。
2-2.断熱塗料をDIYで塗装するメリット・デメリット
断熱塗料をDIY・自前で塗装する際のメリット・デメリットは以下のとおりです。
- メリット:費用を抑えられる
- デメリット:手間がかかる、足場を組まなければ危険
DIYのもっとも大きなメリットは、塗装作業の外注費用がかからないことです。塗装作業の外注費は業者や塗装面積によっても異なりますが、一般住宅の外壁であれば数十万円~100万円以上になることも。塗装対象の屋根や外壁の面積が広い場合には、より高額になることもあるでしょう。DIYであれば、こうした費用を抑えられる分、質の良い断熱塗料代に費用をかけることができます。
一方、DIYには前述したように手間がかかるというデメリットがあります。また、DIYはすべて自己責任。足場を組まずに高所の屋根や外壁塗装を行えば、危険な事故につながる可能性もあります。費用を抑えるためにDIY塗装を考えている方でも、安全管理には費用をかけてください。万が一塗装作業中に落下してケガをしてしまえば、費用どころの話ではすまなくなります。
3.断熱塗料をDIYで塗る方法。具体的な手順とおすすめDIYキット
断熱塗料をDIYで塗装する際の手順は、以下のとおりです。
- 材料・道具の用意&足場の準備
- 塗装前の洗浄・下地調整
- 下塗り
- 中塗り・上塗り
ここでは各手順の具体的な流れとおすすめのDIYキットについて、詳しく解説していきましょう。
3-1.まずは材料・道具を用意&足場の準備
まずは、塗装に使う材料や道具を用意します。弊社では、以下の材料・道具を推奨しています。
<断熱塗装のDIYに用意したい材料・道具>
- 高圧洗浄機:
塗装面の掃除に利用します - マジックロン:
塗装面の汚れが酷いときに利用します - 電動攪拌機(ペイントミキサー):
断熱塗料を攪拌するときに利用します。ホームセンターなどのお店で塗料の攪拌サービスを利用できることもあります - 下地塗料:
シーラー、プライマーなど。素材にあわせた塗料を使います - 断熱塗料:
必要量を塗料メーカーに確認し、用意します。弊社WAKOECO® SHIELD(ワコーエコシールド)のDIY塗料は、【面積㎡×0.42=必要量(㎏)】としています - マジックロン、ヤスリ:
塗装面の汚れが酷いときに使える研磨剤、さび落としに使います - 長柄・中毛のローラー、ハケ:
塗料を均一に塗るために必要です - バケット:
塗料を入れるための大きめのバケツのことです - その他:
塗装面にひび割れがあり補修が必要な場合は、補修に用いるシーリング材、コーキング剤などが必要です
また、屋根や外壁など、高所の塗装をする際には足場の準備が必要です。
<足場の準備>
自分で足場を組む方法を紹介しているサイトもありますが、安全性を考えるとプロにお願いするほうが安心です。塗装工事をしている業者に、足場だけ組めないか確認してみてください。一方、物置やガレージの屋根など、高所以外の塗装であれば、大がかりな足場は不要です。不安なときは、塗料メーカーで足場の必要性について聞いてみてください。
3-2.塗装前の洗浄・下地調整
断熱塗料の密着度を高めるために、塗装前の洗浄と下地調整を行います。具体的な作業内容は、以下のとおりです。
- 高圧洗浄機で塗装面のサビ、カビ、藻などの汚れをしっかり落とします。汚れがひどい場合にはマジックロンを利用しましょう
- 洗浄後、しっかりと乾かしましょう
- 塗装面に凸凹や大きなひび割れがないか確認します。凸凹にはヤスリをかけ、ひび割れの部分は補修して塗装面が均一になるようにしましょう。ひび割れの補修は塗装対象によって必要な道具が異なりますが、コーキング剤やシーリング材を使うことが多いです
これらの作業は、断熱塗料の密着を良くするために欠かせません。塗料面を平滑にしておかなければ、せっかくの断熱塗料がうまく付着せず、塗料が数年で剥離してしまう可能性もあるのです。面倒でも手を抜かず、しっかり洗浄・下地調整してください。
3-3.下塗り
下地調整が終わったら、以下のとおり下塗りをしていきます。
- 下塗り塗料を電動の攪拌機で攪拌します(かき混ぜることです)。上下にも動かしながら、しっかりとかき混ぜましょう。
- 攪拌できたら、ローラー下地塗料を下塗りしていきます。ローラーは長柄・中毛のものがあると塗りやすいです。凹凸のある箇所は、ハケを利用して塗っていきましょう。
- 下塗りが終わったら、しっかり乾燥させます。
下塗り塗料は塗装面の材質によって適したものが異なるため、事前にメーカーで確認して購入しておきましょう。また、塗料の攪拌機がない場合にはホームセンターの攪拌サービスを利用することもできます。 下塗りは、この後の工程にも影響を与える重要な作業です。塗り直しがないように気をつけること、天候によって乾燥・作業にかかる時間も変わってくるので、天気予報で好天日を確認して作業しましょう。
3-4.中塗り・上塗り
下塗りが終わったら、いよいよ断熱塗料の塗装作業です。 弊社では、断熱効果を高めるためにも中塗り・上塗りの2回塗りを推奨しています。詳しい流れは以下のとおりです。
- 断熱塗料の攪拌作業を行います。下塗りのときと同様、しっかりと塗料をかき混ぜていきます
- ローラーで断熱塗料の中塗りをしていきます。ローラーで厚みをつけながら、しっかり仕上げていきましょう
- 中塗りの塗料が乾いたら、ローラーで断熱塗料の上塗りをしていきます。※上塗りは、エアスプレーで仕上げる方法もあります
- 塗り残しがないか確認します。特につなぎ目や淵は塗り残しが発生しやすいため、ハケも利用してしっかり塗装していきましょう
- 全行程完了です。お疲れさまでした!
炎天下での塗装作業はバテてしまうので、曇りの日や涼しい日に行うようにしてください。また、詳しい塗り方の工程はDIYキットを購入する塗料メーカーの説明書にも記載があります。メーカーの説明書も確認しながら、作業に漏れがないよう仕上げてください。
3-5.断熱塗料のおすすめDIYキット
弊社では、DIY用の断熱塗料キット「WAKOECO® SHIELD(ワコーエコシールド) 塗装キット版」を販売しています。
WAKOECO® SHIELD(ワコーエコシールド)は、国内外で特許を取得したオリジナル塗料。夏場の試験では、WAKOECO® SHIELD(ワコーエコシールド)を塗布したプレハブ倉庫の屋根の表面温度が、無塗装の屋根と比べて19.5℃も低い表面温度を実現しました。また、高い断熱効果を誇るだけではなく、結露防止や保温効果、耐火性能の保持、アレルゲンの発生を抑制など、さまざまな効果が期待できる点も魅力です。
WAKOECO® SHIELD(ワコーエコシールド)は、一般住宅から車庫、ガレージ、倉庫、物置、戸建て店舗などの屋根・外壁塗装まで幅広く使えます。DIY塗装キットには、「ローラー・トレイ・マスキングテープ・サンドペーパー・缶オープナー・ハンドル・スペアローラー・不織布つなぎ」の8点が付属しているため、塗装が初めての方でも取り組みやすいのではないでしょうか。
4.まとめ
断熱塗料は、しっかり準備して取り組めば初めての方でもDIY塗装可能です。
DIYは手間や時間がかかりますが、外注費を抑えられるため、高性能な断熱塗料にお金をかけることができます。
「夏場の工場や倉庫の暑さ対策に悩んでいるものの、費用がない……」という方は、一度DIYを検討してみてはいかがでしょうか。