断熱塗料と遮熱シートの違いを比較!メリット・デメリットや建物別の選び方を解説
断熱塗料と遮熱シートの違いを比較!メリット・デメリットや建物別の選び方を解説
#04
断熱塗料の豆知識

断熱塗料と遮熱シートの違いを比較!メリット・デメリットや建物別の選び方を解説

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断熱塗料と遮熱シートの違いを比較!メリット・デメリットや建物別の選び方を解説
工場や事務所の暑さ対策として、候補に上がりやすい製品に「断熱塗料」と「遮熱シート」があります。
どちらも建物内の温度上昇を抑える効果が期待できますが、さまざまな製品があるため、選び方を迷っている企業は少なくないでしょう。
本記事では、断熱塗料と遮熱シートの違いとメリット・デメリット、建物や施工タイミングに適した製品選びについて解説します。自社に適した暑さ対策を知りたい企業はぜひ参考にしてください。

1.【比較表】断熱塗料と遮熱シートの違いとは?

まずは、断熱塗料と遮熱シートの違いを比較表で確認してみましょう。

項目断熱塗料遮熱シート
仕組み熱伝導を抑え、室内への熱の侵入を低減する熱を反射し、室内への熱侵入を防ぐ
主な施工場所屋根・外壁の表面外張り:屋根
内張り:屋根裏・天井裏
施工方法塗装工事シートの設置工事
向いている建物既存の工場・倉庫・事務所など外張り:既存の建物
内張り:新築や屋根の大規模改修を行う建物
工期比較的短い比較的長い
建物への影響稼働しながら施工できるケースが多い工期内容によっては稼働停止が必要
耐久性10~15年程度
(製品による)
長期間持続する
※外張りは経年劣化のおそれあり
期待できる効果室内の暑さ・寒さ対策、防露・防音など室内の暑さ対策に高い効果
平米単価相場2,500-3,500円5,000-1万円

それぞれ暑さを防ぐ仕組みが根本的に違うため、一概にどちらが高機能かという判断はできません。建物の用途や施工条件にあわせて、自社に適した方法を選ぶことが大切です。

1-1.断熱塗料の特徴

断熱塗料は、施工の手軽さに適した価格設定、そして幅広い効果が特徴です。塗料に含まれる細かな中空ビーズが室内と室外の熱伝導を抑え、暑さや寒さによる急激な室温の変化を防ぎます。
冷暖房効率を高めるため1年を通して節電効果があり、結露の抑制や防音、不燃といった副次的効果も得ることができます。

1-2.遮熱シートの特徴

対して遮熱シートは、夏の暑さ対策において非常に高い効果を発揮する点が特徴です。熱反射率が非常に高いアルミニウム製シートを使い、暑さの主要因となる輻射熱(ふくしゃねつ)を強力に跳ね返すため、室内への熱侵入そのものをブロックします。
屋根の外側に張る「外張り」と屋根裏などに張る「内張り」があり、方法によって施工条件や向いている建物が異なります。

2.断熱塗料のメリット・デメリットと対策

断熱塗料は、屋根や外壁に塗布することで室外と室内の熱移動を抑制し、室温を快適に保ちやすくする製品です。
断熱塗料のメリット・デメリット、デメリットをカバーするための対策について解説します。

2-1.メリット

断熱塗料の主なメリットは次のとおりです。
  • 既存建物でも手軽に施工できる
  • 夏の暑さ・冬の寒さを両方対策できる
  • 結露の発生を抑えやすい
  • 騒音を抑えやすい
  • 不燃性製品が多い
  • 建物の塗り替え工事とあわせて施工できる
  • 製品によっては建材劣化を抑制する
断熱塗料は熱移動を抑制するため、室内の冷暖房効率を高められるのが特徴です。外気温と室温の差が小さくなることで結露の発生を抑制し、防音・不燃効果も期待できます。製品によっては屋根や外壁などの建材劣化を保護する効果もあり、塗装だけで幅広いメリットを得ることが可能です。

2-2.デメリット

一方で、断熱塗料には次のようなデメリットもあります。
  • 製品によって性能差がある
  • 施工品質によって仕上がりが左右される
  • 10~15年程度で塗り直し(メンテナンス)が必要
特に注意したいのは性能や仕上がりの差です。価格だけで塗料や施工業者を選んでしまうと、期待する遮熱効果が得られない可能性があります。
また、塗料は経年劣化で塗膜が薄くなるため、一定の周期で塗り直しが必要です。

2-3.断熱塗料のデメリットを補う方法

断熱塗料の性能を十分に発揮するためには、製品選びと施工品質の安定が重要です。
基本的に、断熱塗料は塗料のベースとなる樹脂と熱伝導を抑える中空ビーズの組み合わせによって断熱効果を発揮します。ただし、塗料によって成分の配合は異なるため、結果として断熱性能に差が生じることがあります。
できる限り高品質な中空ビーズを配合していて、かつ、第三者機関などで高い機能性・安全性が実証されている製品を選びましょう。
施工品質については、メーカーの施工基準に沿って適切な塗膜厚を確保することで安定します。メーカーから認定を受けている施工業者に依頼し、塗りムラによる性能低下を防ぎましょう。

3.遮熱シートのメリット・デメリットと対策

遮熱シートは、アルミニウム製などの高反射素材を用いて輻射熱を反射し、建物内への熱侵入を直接抑える建材です。
建物の外側に施工する外張りと内側に施工する内張り工法があり、それぞれ特徴や適した建物が微妙に異なる点に留意が必要です。

項目内張り工法外張り工法
主な施工場所屋根裏・天井裏など屋根・外壁など
主な採用場面新築・屋根の葺き替え・大規模改修時
(スペースがあれば既存建物も適用可)
既存建物
(対応可能な屋根材に限る)
メリット・遮熱効果が長時間持続しやすい・遮熱効果が高い
・屋根材によっては後付け施工可
・内部結露を抑えやすい
デメリット・保温効果はない
・内部結露が発生しやすい
・屋根裏や天井裏にスペースが必要
・保温効果はない
・近隣建物への反射光への配慮が必要
・初期費用が高くなりやすい

工法別のメリット・デメリット、デメリットをカバーするための対策について解説します。

3-1.内張り・外張りのメリット

遮熱シートは内張り・外張りどちらでも高い遮熱効果があるのが最大のメリットです。一般的な遮熱シートに使われるアルミニウムの可視光線反射率は90%程度あり、高機能な遮熱シートであれば95%以上の熱反射率を有すると言われています。暑さの主要因である輻射熱対策としては、非常に高い効果が期待できるでしょう。
内張り工法は遮熱シートが内側のため風雨や紫外線の影響を受けにくく、効果が長期間持続します。外観への影響もないため、近隣建物への特別な配慮も不要です。
外張り工法は輻射熱が建物に入る前に反射するため、高い遮熱効果を期待できます。屋根材が合えば既存建物でも後付けしやすく、機械等の稼働を止めずに施行できるケースが多くあります。また、内部結露も抑えやすいのがポイントです。

3-2.内張り・外張りのデメリット

遮熱シートは屋外からの熱侵入を強力に防ぐ一方で、室内で作った暖気をとじこめる保温機能はありません。そのため、冬の寒さについては別途対策を講じる必要があります。
内張り工法は屋根裏や天井裏などに一定の設置スペースが必要なため、既存建物だと大がかりな工事になることがあります。
外張り工法は屋根材が適応すれば既存建物でも施工しやすいものの、遮熱シートの反射光が近隣建物に影響する懸念があります。密集地だとクレームにつながりかねないため、相応の配慮が必要です。屋外に施工するため外部環境の影響を受けやすく、初期費用が高くなる傾向があります。また、屋根の構造により、内張りと同様に大がかりな工事になることがあります。

3-3.遮熱シートのデメリットを補う方法

遮熱シートの性能を十分に発揮するには、建物の構造や施工条件に適した工法を選ぶことが重要です。
新築や屋根の葺き替え・大規模改修時には、耐久性に優れた内張り工法が適しています。ただし、屋根裏や天井裏に一定のスペースがあれば、既存建物でも内張りできる可能性はあるため、業者によく確認してください。
既存建物に手軽に施工したい場合には、屋根への外張り工法が適しています。屋根材が合えば稼働中でも施工しやすく、高い遮熱効果を期待できます。
構造的に内張りできず、密集地のため外張りも難しい場合には、大規模改修時までの対策として断熱塗料を塗布することも検討してください。断熱塗料の後に遮熱シートも施工すれば、冷暖房効率がさらに高まり、室内環境の改善につながります。

4.結局、断熱塗料と遮熱シートはどちらがいい?

断熱塗料と遮熱シートは、それぞれ熱を防ぐ仕組みや施工方法が異なるため、一概にどちらが優れているとは言言えません。
重要なのは、建物の構造や施工時期、優先したい効果に合わせて選ぶことです。
既存の工場や倉庫など、大規模な改修を行わずに冷暖房効率を改善したいのであれば、断熱塗料が適しています。
一方、屋根の葺き替えなど大規模な改修を予定していて、夏の暑さ対策を最優先で行いたい場合は遮熱シートが適していると言えます。

建物・施工時の希望条件などおすすめ
新築・建て替え時遮熱シート(内張り)
屋根の葺き替え・大規模改修時遮熱シート(内張り)
天井や壁の塗り直し時断熱塗料
既存の工場や倉庫に手軽に施工したい断熱塗料
遮熱シート(外張り)
施工時も稼働をやめたくない断熱塗料
遮熱シート(外張り)
1年を通して冷暖房効率を高めたい断熱塗料
暑さに特化した対策を行いたい遮熱シート
暑さ対策の効果をできる限り高めたい断熱塗料・遮熱シートの併用

断熱塗料と遮熱シートは、必ずしもどちらか一方を選ぶものではありません。暑さ対策の効果を最大限発揮したい場合は、断熱塗料と遮熱シートの併用も検討してみるとよいでしょう。

5.既存の建物に施工しやすい高機能断熱塗料を選ぶ5つのポイント

断熱塗料は既存建物への施工に適していますが、製品によって性能にばらつきがあります。
ここでは、高機能断熱塗料を選ぶために大切なポイントを5つご紹介しましょう。

5-1.高品質な中空ビーズが含まれている

断熱塗料の性能差を左右するのは、塗膜に含まれる細かな球体(=中空ビーズ)の質です。
熱は空気を伝える能力(熱伝導率)が非常に低いという性質を持っています。そこで断熱塗料では、細かい空気層を塗膜内に形成できる中空ビーズを多数配合し、熱の侵入を抑制しているのです。
ただし、ひと口に中空ビーズといってもさまざまな種類があります。特に耐久性が高いとされている、特殊セラミックの中空ビーズを混合しているものが望ましいでしょう。

5-2.第三者機関による試験結果がある

断熱塗料は中空ビーズの品質が重要ですが、とはいえ、成分表やメーカーの説明表だけでは断熱効果を比較するのは困難です。
「成分表や説明書だけではよくわからない」という場合は、第三者機関での試験結果が公開されている断熱塗料を選ぶことをおすすめします。
メーカーとは異なる第三者の試験機関で効果が実証されている断熱塗料は信頼性が高く、性能を見極める1つの指標になるでしょう。

5-3.期待耐用年数が10年以上ある

断熱塗料の耐用年数は製品によって異なりますが、高品質な素材がベースになっている製品であれば10年以上の耐久性を発揮します。
何度も塗り直す手間や稼働への影響を考えると、期待耐用年数は長いほうがトータルコストを抑えられます。目先の購入金額だけではなく、メーカーによる期待耐用年数も比較し、できる限り「10年以上」になっている製品を選びましょう。

5-4.既存建物での施工実績が豊富にある

工場や倉庫、事務所など既存建物への施工実績が豊富にあるかどうかも要チェックポイントです。
まずはメーカーのサイトを確認し、どのような建物に施工されているのか、建物の用途や施工箇所を見てみてください。
さまざまな建物・施工箇所の実績がある断熱塗料であれば、製品の汎用性が高いと言えます。
また、既存建物だと「工場の稼働を止めずに施工したい」「屋根の形状が特殊」といったケースもあります。こうした条件に対応した施工実績があるかどうかも、製品選びのポイントになるでしょう。

5-5.建物に適した機能がある

断熱塗料は通年での室温調整の他、結露や騒音の抑制、不燃・建材保護などさまざまな機能を有しています。また、製品によっては熱を反射する遮熱機能が含まれるものもあり、幅広いメリットを得られるのが魅力の1つです。
工場や倉庫、事務所など建物の用途によって重視すべき機能は異なるため、自社の課題に合った製品を選びましょう。

6.既存建物の暑さ対策に適した断熱塗料「WAKOECO断熱」

ここまで紹介したように、断熱塗料を選ぶ際は、性能だけでなく耐久性や施工実績、付加機能などを総合的に比較することが重要です。
そのような観点から比較すると、「WAKOECO断熱」も既存建物への施工に適した製品と言えます。たとえば、WAKOECO断熱には次のような特徴があります。
  • 軽量かつ高性能な特殊セラミック中空ビーズを配合
  • 第三者機関による試験結果を公開し、国内外で特許を取得
  • 期待耐用年数は10~15年以上
  • 事務所、工場、店舗、倉庫、牛舎、一般住宅など幅広い建物で施工実績がある
  • 断熱・遮熱に加えて、防露・防音・不燃・建材保護など多機能
WAKOECO断熱は、高性能な特殊セラミック中空ビーズを配合した、環境に優しい水性の断熱塗料です。断熱性能に加えて太陽光を反射する遮熱性能も備えているため、夏場の室温上昇を抑えながら、冬場は室内の熱を逃がしにくくする効果が期待できます。
また、結露や騒音の抑制、建材保護など複数の機能を備えているため、建物全体の快適性や耐久性の向上にも役立ちます。
断熱塗料は長期間使用する建材だからこそ、価格だけでなく性能や施工実績、耐久性まで含めて比較してみてください。

当社について

株式会社WAKO ペイント事業部
WAKOオフィス

当社では環境保全やエコロジーをテーマに、特許を取得した機能性塗料の企画・開発・販売を手掛けています。
気候変動、エネルギー、人口増加、海洋汚染などの社会問題に企業が向き合うことが求められています。
船舶用防汚塗料、建築用断熱塗料、建築用遮熱塗料を通して、これらの社会問題解決の一翼を担って参ります。

ペイント事業部責任者井手 康博